結論:補助金の公募は「予算編成プロセス」と連動している
多くの中小企業経営者が「公募開始後に検討を始める」なか、採択率の高い企業は数ヶ月前から準備をしています。なぜなら、補助金は国や自治体の予算編成と完全に連動しており、事前に予測が可能だからです。
毎年決まった時期に公開される「先行指標」を読み解くことで、公募開始の3〜6ヶ月前から、次に来る支援策の内容と規模を把握し、戦略的な投資計画を立てることができます。
1. 国の補助金の源泉:当初予算と補正予算の構造
国の支援策は、財源によって性質が異なります。
当初予算(一般予算):継続的な支援
毎年4月から翌年3月の通年分です。主に事務局運営費や、長年継続されている定番の支援事業が対象となります。
- 特徴: 予測が容易で、制度の急変が少ない。
- 参照: 経済産業省 予算案・概算要求
補正予算:大型・最先端の支援
景気対策や緊急支援を目的に年度途中で編成されます。「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」の大型枠は、多くの場合こちらが財源です。
- 特徴: 11月〜12月頃に成立し、年明け1月〜3月頃に公募開始されるサイクルが一般的です。
- 参照: 財務省 予算に関する情報
2. 国の先行指標:いつ、何を確認すべきか
公募開始前に情報を掴むための、最重要チェックポイントは以下の3点です。
① 概算要求(毎年8月末)
各省庁が財務省へ提出する翌年度の予算要望です。ここで新規補助金の原案が判明します。
- URL: 経済産業省 予算情報ページ
② 経済対策の閣議決定(毎年10〜11月頃)
補正予算の骨子が決まるタイミングです。「DX推進」「省力化」等の重点項目から、大型補助金の継続や新設が判明します。
- URL: 首相官邸 閣議決定事項
③ 中小企業政策審議会(不定期)
政策の方向性を決める最上位の議論の場です。議事録を読むことで、将来的な審査基準の変化を予測できます。
- URL: 中小企業庁 審議会・研究会
3. 東京都独自の支援策:都予算のタイムライン
東京都の事業主様は、国とは異なる独自の「都予算サイクル」に注目してください。
| 時期 | 項目 | 内容と参照元 |
| 11月上旬 | 予算要求状況の公表 | 各局が財務局に提出した案。新規事業の名称が見えます。 東京都財務局 予算編成情報 |
| 1月下旬 | 東京都予算案の公表 | 補助率や具体的な要件が確定する最重要指標。 東京都産業労働局 予算概要 |
| 3月末 | 予算成立 | 4月以降、東京都中小企業振興公社等から公募開始。 |
4. 2026年度の展望:AI導入と省力化へのシフト
2026年度は、従来のIT導入支援から「デジタル・AI導入(仮称)」へと再編され、生成AIの業務活用や、人手不足を解消する「省力化投資」への支援が手厚くなる見込みです。
11月から1月にかけて公開される先行指標を追うことが、支援の質の向上と採択への近道となります。
5. 実務に役立つ情報収集ツール一覧
効率的な情報収集のために、以下のサイトを定期的に確認することをお勧めします。
- J-Net21(中小機構):全国の補助金・助成金情報を網羅。
- ミラサポPlus:国の最新施策を電子申請連携で確認可能。
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